著者
松井 圭介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.345-366, 1995-06-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1 3

本研究では,笠間稲荷神社(茨城県笠間市)の信仰者の分布から,信仰圏の範囲を画定し,信仰圏の地域区分を行なった.分布の指標には,昇殿祈願者(講社および篤信崇敬者),産物献納者,,分霊勧請者の3つを用いた. その結果,笠間稲荷からの距離に応じて,笠間稲荷信仰圏は,(1)産物献納者の分布が卓越し,農耕に恵みを与える生産神としての信仰を集める第1次信仰圏(0~50km圏),(2)各指標とも分布が密であり,・とくに講:社の成立と分霊勧請者の分布の中心域で,、笠間稲荷信仰の核心地域といえる第2次信仰圏(50~150km圏),(3)講社,分霊勧請者とも分布が分散的となり,笠間稲荷信仰の外縁地域となる第3次信仰圏(150~800km圏)の3つに地域区分ができることが明らかとなった. また笠間稲荷信仰圏の場合,信仰の広がりには,神社の西部から南東部にかけてのセクター性もみられ,笠間稲荷信仰圏が,信仰拠点を中心とする圏構造ではなく,第2次信仰圏に信仰者の分布の中核のあるドーナツ型を呈していることがわかった.

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J-STAGE Articles - 信仰者の分布パターンからみた笠間稲荷信仰圏の地域区分 https://t.co/iYr5GUQoXT
@toshouken 参詣講や札・灯籠などの奉納者、昇殿祈願の申込者などの分布から調べることが多いようですね。その場合も「信仰」を何段階かに分類して分析するようです。 信仰者の分布パターンからみた笠間稲荷信仰圏の地域区分 https://t.co/zWRMNufFH8 https://t.co/MZg1ECCFo1

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