3 0 0 0 OA 幾何学の帝国

著者
杉浦 芳夫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.857-878, 1996-11-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
111
被引用文献数
1

本稿では,石川栄耀の生活圏構成論を手がかりにして,中心地理論の戦時中のわが国への伝播の可能性を検討した.石川は,外国の都市・地域計画論の影響を受けっつも,独自に生活圏構成論を考えっいたが,内務省技師・伊東五郎によってわが国へ紹介されたドイツ版生活圏シェーマは,石川のものと酷似しており,結果的に彼の説を補強することになった.ドイツ東方占領地の集落配置計画に用いられていたドイツ版生活圏シェーマのルーツが, Christallerが1941年に提案した,市場・行政・交通の3原理が同時に作用した場合の中心地立地シェーマにあったと判断されるたあ,中心地理論が示唆する集落配置の考えは,戦時中すでにわが国へ伝わっていたと結論づけられる.

言及状況

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@LfsO3Ga1MyiouQ9 そうですね。最適な人口分布の計画はちょうど中心地理論で知られるクリスタラーがナチス時代にやっており、日本への影響も指摘されているようです。 参考:杉浦 芳夫「幾何学の帝国:わが国における中心地理論受容前夜」 https://t.co/oxsus316XA
計画の実行組織はSS長官のヒムラーで、ベルリン大学のMeyerに計画を立案させた。Meyerは旧知のクリスタラーを招聘し、中心地の理論的分布パターンを検討させた。杉浦芳夫1996「幾何学の帝国-わが国における中心地理論受容前夜-」地理学評論69 https://t.co/SC1Ux07vnE

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