著者
谷 謙二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.263-286, 1997-05-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
31
被引用文献数
5 11

本稿は,戦後の大都市圏の形成とその後の郊外化を経験した世代に着目し,その居住経歴を詳細に明らかにしたものである.方法論的枠組みとしてライフコース・アプローチを採用し,名古屋大都市圏郊外の高蔵寺ニュータウン戸建住宅居住者 (1935~1955年出生)を対象として縦断分析を行った.その結果,移動性が最も高まる時期は離家から結婚までの間であり,さらに離家を経験した者の多くが非大都市圏出生者であった.大部分の夫は結婚に際しては大都市圏内での移動にとどまるのに対し,妻は長距離移動者も多く,中心市を経由せずに直接郊外に流入するなど,大都市圏への集中プロセスは男女間で相違が見られた.結婚後の名古屋大都市圏への流入は転勤によるものであり,その際は春日井市に直接流入することが多い.それは妻子を伴っての流入であるために,新しい職場が名古屋市であるにもかかわらず,居住環境の問題などから郊外の春日井市を選択するためである.

言及状況

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この図を使ったのは修論の時。ライフコース論の時代効果と年齢効果、コーホート効果が地域単位でよくわかる。図は当時のDOS版MANDARAのメッシュ表示機能を流用。 谷謙二1997.大都市圏郊外住民の居住経歴に関する分析- 高蔵寺ニュータウン戸建住宅居住者の事例.地理評70-5 https://t.co/6ssvtE5ubt https://t.co/cZR2EQXqdH

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