著者
梅田 克樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.133-157, 2001-03-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
43

本研究は,愛知県みどり牛乳農協の組合員における酪農経営動向に地域的分化が生じた要因を,地域的機能組織の階層的構成に着目して検討した.分析の結果,多頭育化志向の強い組合員が半田市住吉地区に集中する反面,その他の地区では多頭育化志向が弱まる傾向にあった.その要因として, 4次の階層的構成をなす地域的機能組織の存在が挙げられた.その中で,多頭育化を牽引してきた半田市の組合員は,地域的機能組織が担うすべての事業において最小最適規模を達成し,集積の経済を獲得していた.ところが,その結果として知多郡部の第3次機能組織は過小規模に陥り,個別酪農経営の支持効果が著しく低下した.また,住吉地区においては,第2次機能組織である住吉酪農発展会が,技術革新や技術発展を創造する場として機能していた.このように,地域的機能組織による個別酪農経営の支持効果によって生じた地区間格差が,組合員の経営動向に地域的分化を生じさせていた.

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【地理学評論掲載論文】梅田克樹 2001.愛知県みどり牛乳農業協同組合における地域的機能組織の事業活動と多頭育酪農の地域的発展.地理学評論74: 133-157.https://t.co/hU2PAC7nbW

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