- 著者
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田中 耕市
- 出版者
- 公益社団法人 日本地理学会
- 雑誌
- 地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
- 巻号頁・発行日
- vol.74, no.5, pp.264-286, 2001-05-01 (Released:2008-12-25)
- 参考文献数
- 31
- 被引用文献数
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本研究は,福島県いわき市を対象地域として,個人属性で秀類した住民グループからみた生活関連施設に関する利便性をGISによって測定した.そして,グループ間における生活利便性の差異,および都市中心部と周辺部の生活利便性の格差を定量的に明らかにした.生活利便性を測定する際には,客観的なアクセシビリティ評価に加えて,住民からの主観的な評価を考慮に入れた生活利便性評価モデルを構築した.その結果,以下の点が明らかになった. 多数の生活関連施設が都市中心部に分布しているため,都市中心部ではすべてのグループからみた生活利便性が最良であり,グループ間における利便性の差異も小さかった.また,都市中心部から遠ざかるにっれて,生活利便性は徐々に悪くなる傾向にあった.都市中心部からの距離の増加に伴って生活利便性が悪化する割合は,各グループによって大きな差異がみられた.自家用車の所持率が高い就業者や男性高齢者では,生活利便性が悪化する割合は比較的小さかった.その一方で,自家用車の所持率が低い学生や女性高齢者は,都市中心部から遠ざかるにっれて生活利便性の悪化する割合が大きく,都市中心部と周辺部における生活利便性の格差が著しかった.