著者
阿部 亮吾
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.14, pp.951-975, 2005-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
70
被引用文献数
4 3

1980年代以降急増したフィリピン人女性エンターテイナーの存在は,アジア系ニューカマーの中でも看過できない存在である.なぜならば,彼女たちは外国人を厳しく規制する日本の入管行政において,合法的な入国・就労が認められてきたエスニック集団だからである.本稿の目的は,システム化された移住労働の今日的状況のもとで,彼女たちを他者として位置づけているポリティクスを明らかにすることである.本稿では,名古屋市栄ウォーク街のフィリピン・パブを事例に,雇用者との労使関係,顧客との相互関係に着目し,彼女たちが雇用者と顧客双方からどのようなパフォーマンスを期待されているのかを議論した.そこで明らかとなったのは,ミクロ・スケールの日常空間で作用する雇用者の空間的管理のポリティクスと顧客のまなざしのポリティクスが,移住労働の制度・法的背景と相互に関係し作用する様相であり,それに果たすフィリピン・パブという空間の役割であった.

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (3 users, 4 posts, 4 favorites)

【地理学評論掲載論文】阿部亮吾 2005.フィリピン人女性エンターテイナーのパフォーマンスをめぐるポリティクス-ミクロ・スケールの地理に着目して,地理学評論78,951-975.https://t.co/YClNsUGvUP
この辺とかから芋づるで見つかるかもと思いました https://t.co/yoprMOVNXD RT @cochonrouge 地理学の論文で、錦糸町にロシアンパブが多い理由の研究とかないのかなあ

収集済み URL リスト