著者
上杉 和央
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.80, no.13, pp.823-841, 2007-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
63

江戸時代, とりわけ18世紀以降の地図収集のネットワークについて, これまで具体的に論じられたことはなかった. 本稿では大坂天満宮祝部渡辺吉賢の収集した地図を出発点にして, 地図の貸借をしていたことが明らかな人物を網羅的に提示し, そのうち代表的な人物にっいて吉賢との関わりを論じた. そして, その上で地図収集のネットワークの広がりにっいて検討を行った. その結果, 日本中にネットワークが広がっていたこと, 身分や職業を越えて地図の貸借があったこと, そして世代を超えた時間的広がりを持ったネットワークになっていたことなどを指摘した. また, このようなネットワークは, 森幸安の地図作製にも関わるなど, 地図史の展開において不可欠な役割を担っていたことも明らかにできた.

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (2 users, 3 posts, 9 favorites)

「日本地理学会賞(奨励賞)」これまでの受賞論文からご紹介します。 上杉和央 「18世紀における地図収集のネットワーク―大坂天満宮祝部渡辺吉賢を中心に―」 https://t.co/xYYXF6P0vP https://t.co/qelvIj5BR4
【地理学評論掲載論文】上杉和央 2007.18世紀における地図収集のネットワーク-大坂天満宮祝部渡辺吉賢を中心に-,地理学評論80,823-841.http://t.co/YKiz0LFP3R

収集済み URL リスト