著者
太田 信子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.320-325, 2019-09-30 (Released:2020-10-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1

展望記憶は未来の出来事を意図し, 自発的に想起する。二重経路モデルによると展望記憶の想起には自動的想起と意図的想起があり, 課題形式, 想起の形式, 動機づけやメタ記憶が関連する。課題形式はある出来事を手がかりに想起する事象ベース課題と時間経過や時刻を手がかりに想起する時間ベース課題, 想起の形式は何かすることがあったのに気づく存在想起と何をするのかに気づく内容想起である。自動的想起では手がかりが展望記憶活動に含まれるため想起が容易である。意図的想起では方略的モニタリングによる手がかりの認識が必要である。自験例に対して, この 2 つの想起過程の獲得のための訓練を行った。記憶低下例は符号化および方略的モニタリングが可能となった。遂行機能低下例の動機づけは不十分であったが, 方略的モニタリングが一部可能となった。これらの一定の改善から, 展望記憶訓練の可能性が示唆された。

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