著者
佐藤 弥
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.332-340, 2019-09-30 (Released:2020-10-01)
参考文献数
30

表情は感情コミュニケーションの主要メディアである。しかし, 表情処理がどのような心理・神経メカニズムにより実現されるかは明らかではない。本稿では, この問題を調べた我々の一連の心理学・神経科学研究の知見を紹介する。心理学および神経科学研究から, 以下のような知見が示された。 (1) 表情の感情情報は無意識の段階で処理されており, こうした表情への感情処理に関係して扁桃体が約 100 ミリ秒の段階で活動する, (2) 感情表情は中性表情よりも素早く検出されており, その検出パフォーマンスに視覚野における約 200 ミリ秒からの強い活動が関係している, (3) 表情に対しては自動的な表情模倣が喚起され, これにはミラーニューロン領域を構成するとされる下前頭回の約 300 ミリ秒の段階の活動が関係する。こうした知見から, 表情に対して, 感じる・見る・まねるという一連の心理的情報処理が, 扁桃体・視覚野・下前頭回から構成される神経ネットワークにより数百ミリ秒のうちに実現されることが示唆される。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (3 users, 3 posts, 19 favorites)

『アニメキャラクターの表情がその印象に与える影響-表情の一部を操作した実験的検討-』 中西優里香 『表情認知の心理・神経メカニズム』 佐藤弥 https://t.co/ILR0W8KYVz https://t.co/x1iv3bopDX

収集済み URL リスト