- 著者
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外川 佑
- 出版者
- 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
- 雑誌
- 高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.3, pp.290-295, 2022-09-30 (Released:2022-11-24)
- 参考文献数
- 22
自動車運転評価を考える段階にある右半球損傷例については, 症状が軽度であるか, リハビリテーションを経て症状が改善, あるいは代償期の USN で ADL が自立している段階にあり, 自宅復帰や復職を控えた活動的な時期に至っているケースが中心になる。これらの軽度例は, 中等度・重度症例とは異なり, 机上の BIT 行動性無視検査などの静的検査では制限時間を設けるなどの方法上の工夫がない限り問題が検出されにくいことが多い。特に, 自動車運転の課題特性を踏まえた評価として, ドライビングシミュレータ上の車線追従課題や反応課題などに代表される動的評価は, 右半球損傷例の自動車運転時のリスクを予測するうえで有益な情報を提供する可能性がある。本稿では, 机上検査だけでは一見 USN の症状が見過ごされやすい右半球損傷例を対象に, 著者らが開発したドライビングシミュレータ課題の実施結果について紹介する。