著者
松宮 朝
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.59-76, 2023 (Released:2023-08-01)
参考文献数
40

2020 年春からのコロナ禍では,対面でのインタビュー調査,フィールドワー ク,学生の現地での調査実習など,コミュニティ実践の現場にかかわる調査活 動のほとんどすべてを中止せざるをえなくなった。こうしたなかで,コロナ禍 で激変した環境に対応しつつ,地域コミュニティの実践現場への調査,調査実 習でのかかわりをどのように継続・再開させるかが課題となった。この課題に 対して,本稿ではまず,地域コミュニティでの対面的なつながりが「悪」とさ れる政策がとられ,地域コミュニティ,コミュニティ実践が停滞もしくは中断 を迫られた状況を確認した。このことは,地域コミュニティをめぐる対面での 調査実習,調査研究にも大きな影響を及ぼしたのである。その上で,筆者のコ ミュニティ実践を対象とした量的調査,質的調査にかかわる調査実習を振り返 り,また,コロナ禍で調査をスタートさせた,屋外での支援活動と連携したア クションリサーチ,参与観察の成果と課題について検討した。コロナ禍に対応 したオンライン調査への移行は,調査方法の可能性を拡げた一方で,学生間の 調査スキル,地域コミュニティ参加,関係形成の継承については課題が残った。 以上のコロナ禍での調査実習と調査研究の検討から,①関係の継続と調査方法 の継承の持つ意味,②オンラインではつながることができない対象者へのアプ ローチの重要性という,対面調査の果たす役割が確認されたと考えられる。

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