著者
板谷 晋嗣 清野 聡子 和田 年史 秀野 真理
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1817, (Released:2019-11-08)
参考文献数
21

福岡県津屋崎入江において、カブトガニを対象に航空写真の判読によって、戦後から現在に至るまでの生息地の変遷をたどり、住民からの聞き取り調査結果と繁殖ペアのモニタリング調査結果と照合しながら、カブトガニの減少要因の解明を行った。聞き取り調査では、津屋崎沿岸域には戦後から 1980年代にかけて多くのカブトガニが生息していたが、その数は徐々に減少し 2000年代初めには、ほとんど見られなくなった状況が把握できた。繁殖ペア数は 2005年以降、毎年減少した。この繁殖ペア数の減少は、入江湾口部の累積的改変に伴う産卵基盤の砂州の劣化が一因を担っている可能性が示唆された。本研究の歴史生態学的なアプローチは、カブトガニなどの沿岸域を生息場所とする希少種の保全において、個体数減少と沿岸開発との因果関係をひも解く際の初期解析方法として有効であると考えられる。

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福岡県津屋崎入江におけるカブトガニ繁殖数の減少と累積的湾口改変による産卵基盤である砂州の劣化。板谷ほか 2019 (日本語論文、オープンアクセス) https://t.co/5of2BuLtf7 繁殖数の減少の理由のひとつとして、産卵場所となる砂州の面積が戦後一貫して減少していることを挙げています。

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