著者
横尾 俊成
出版者
学校法人 関西学院大学先端社会研究所
雑誌
関西学院大学先端社会研究所紀要 (ISSN:18837042)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-16, 2019 (Released:2019-07-10)

本稿は、渋谷区の「同性パートナーシップ条例」の制定過程を事例に、地方自治体の政策転換における、SNSを用いた社会運動のフレーミング効果を実証的に分析するものである。この条例の制定過程において、活動家の影響を受けて議員がつくり出したフレームと活動家によるフレーム形成、さらに、議員が設定したフレームに従って行われたTwitterでのハッシュタグを用いた運動とインターネット署名運動は、区長や行政職員、議員の判断に影響を与えた。またその際、SNSには、運動への動員効果よりむしろ、議員などに対して新たな解釈の枠組みをつくり出すフレーミング効果が認められた。その結果、議会の最大会派が条例に好意的でなかったにも関わらず、政治的対立が回避され、区長のイニシアティブで条例が制定されるというスムーズな政策転換が可能となった。本稿の検証により、フレームの設定とその拡散が、当事者や潜在的な賛同者の存在を可視化しつつ、自治体の政策過程に影響を与えることが立証された。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 2 favorites)

ツイッターやオンライン署名で地方自治体の政策をどう転換させたか分析した研究論文↓ ざっと目を通しただけだが参考になりそう。 「地方自治体の政策転換におけるSNS を用いた社会運動のフレーミング効果」 https://t.co/Kjcsl3AwKS

収集済み URL リスト