著者
根岸 洋
出版者
公立大学法人 国際教養大学 アジア地域研究連携機構
雑誌
国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.37-57, 2020 (Released:2020-04-10)

2009 年1 月5 日にユネスコ世界遺産暫定一覧表に記載された「北海道・北東北を中心 とした縄文遺跡群」は、幾度かの推薦書素案の修正を踏まえて「北海道・北東北の縄文 遺跡群」として名称変更を行い、2019 年7 月30 日に開催された文化審議会世界文化遺 産部会において世界文化遺産推薦候補に選定された。この取り組みの当初から、日本列 島に存在した「縄文文化」そのものに顕著な普遍的価値があるならば、「北海道・北東北」 という地域にある遺跡群のみによってその価値を代表できるのかという疑問が指摘され てきた。本来「縄文文化」という用語は幾つかの考古学的文化から構成されるテクノコ ンプレックス概念であるため、世界遺産への推薦では縄文時代を通じて形成された「地 域文化圏」を単位とするのが望ましいし、この点について周知が図られなければならな い。本稿は、津軽海峡を挟んで長期間分布してきたこの「文化圏」が弥生時代前半期に も継続していたことを、詳細な遺跡地図を示すことで証明するものである。

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弥生時代前半期における「津軽海峡文化圏」について https://t.co/OaGEZ9Qlq3

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