著者
山田 昌弘
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.41-51, 2017-05-25 (Released:2017-06-13)
参考文献数
10

日本の少子化を考える場合,次の意識を考慮に入れる必要がある。一つは,「結婚は経済的なイベントという意識」である。結婚は,恋愛の結果生じるという側面よりも,経済的に新しい生活を始める側面が強調される。第二に,日本では世間体意識が強く,他人から見て恥ずかしくない結婚生活を求める。特に,子どもに経済的につらい思いをさせたくないという意識が強い。そのため,自分が育った経済環境以上の条件が整わなければ結婚や出産を見合わせるのである。経済の高度成長期には,若者の経済状態はよく,その条件は整っていた。しかし,オイルショックを経て,1990年以降,若者の経済状況は不安定になり,格差が拡大する。子どもを十分な経済環境で育てる見込みがたたない若者が増える。その結果,結婚が減少するだけでなく,男女交際も不活発化する。そして,2000年以降,夫婦の子ども数も減少するのである。

言及状況

外部データベース (DOI)

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https://t.co/ca5v9IWgzU 「ある学生は『背が高い人しかつきあわない。私は背が低いから男の子が生まれて背が引くいとかわいそうだから』と回答した。つまり、将来生まれる子どもの身長まで考慮に入れてつきあう人を決めようとしている。」(p42)
山田昌弘 2017「「子どもにつらい思いをさせたくない」―少子化問題の日本的特徴について」『医療と社会』 https://t.co/EhyAW05VvC 「自分が育った経済環境以上の条件が整わなければ結婚や出産を見合わせる」 https://t.co/xUM2SbbgDU

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