著者
鈴木 幹也 川井 充
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.482-485, 2005-09-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

進行性核上性麻痺は, 核上性眼球運動障害, 左右差のないパーキンソニズム, 高次機能障害などを呈する変性疾患である. 特徴的症状や, 頭部MRIで, 第3脳室の拡大, 中脳・橋被蓋の萎縮があれば診断に苦慮しないが, 発症早期では目立たない例があり, 他のパーキンソニズムを来たす疾患との鑑別が問題になる. パーキンソン病は, 一側優位の静止時振戦・筋強剛で発症し, 進行すると無動・易転倒性がみられる. MIBG心筋シンチの後期相での取り込みの低下が診断に有用である. 多系統萎縮症は, パーキンソニズム, 小脳失調, 自律神経症状が特徴的だが, パーキンソニズムが主体の線条体黒質変性症は, 自律神経症状が目立たないと診断が困難なことがある. 頭部MRI T2強調画像での被殻外縁のスリット状高信号領域が特徴である. 大脳皮質基底核変性症は, 失行などの皮質症状をともなう. どの疾患も特徴的な症状・画像変化を示さない例では診断に苦慮することがある.

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