- 著者
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浅井 元朗
- 出版者
- 特定非営利活動法人 緑地雑草科学研究所
- 雑誌
- 草と緑 (ISSN:21858977)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.16-30, 2018 (Released:2019-02-01)
- 参考文献数
- 4
農耕地および緑地雑草の管理者に必要な素養とは,現場においてさまざまな生育段階にある雑草のすがたかたちを識別し,その生活様式―いきざま―を見きわめ,その地(地域と立地環境)での生態が頭に入っている状態,あるいは初見の草種についても同様のことが識別,類推できることである.雑草は生育環境や季節,生育段階などによってそのみかけが変化するため,種ごとの変化や変異の幅を含めて理解する必要がある.また,管理法(耕起,刈取,除草剤処理等)の種類やその時期・頻度の違いによってその場に生育できる種類が大きく異なる.それらを念頭において,出現草種を識別し,管理に対する反応を予測することが重要である.身近な雑草を識別し,その特性を調べるための基本的な技法として,1)採集・標本の作成,栽培およびデジタル画像の収集の利点と留意点,2)学名および分類体系の理解に基づいた科,属の単位での特徴把握,3)幼植物が掲載されている等,有用な雑草図鑑類の特長と目的に応じた活用法,4)Web資料の特長と利用などについて具体的に解説した.