著者
吉次 通泰
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.64-75, 2010-09-23 (Released:2017-04-27)
参考文献数
30

先端医療が不要な終末期医療は、アーユルヴェーダ的には、人間を構成する身体、精神、アートマンの3者を含む全人的医療である。わが国では、末期患者の身体的治療は進歩してきたが、精神的およびWHOの定義する意味での霊的支援は不十分である。本研究の目的は、インド、ギリシア、エジプトの古代社会における終末期医療を検討することである。古代アーユルヴェーダ医学原典、『ヒッポクラテス全集』、『エドウィン・スミス・パピルス』と『エーベルス・パピルス』につき、終末期医療に関する記載を検討した。古代インドでは、医師は不治の患者の治療を放棄したが、医師自身の学識・名声・富を失い、非難を受けるためであった。また、患者あるいは家族に不治の疾患の病名や予後を伝えると、彼らに苦痛・悲嘆を与えるため告知しないのが一般的であった。古代ギリシア、エジプトでも不治の患者の積極的治療を避けたが、告知するのが一般的であった。これは、古代社会における文化の差異によるのかもしれない。本研究は、わが国の終末期医療の議論に新しい視点を提示するものである。

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*1 大川俊隆ほか『『漢書』百官公卿表訳注稿(七) 』(2013) https://t.co/pupNYvxftA *2 吉次通泰『古代社会における終末期医療の視点 : インド、ギリシア、エジプトについて』 https://t.co/ID6KjttxFQ とりあえずここまで。
吉次通康『古代社会における終末期医療の視点—インド、ギリシア、エジプトについて—』 https://t.co/jcDFIcug68 p.69 (pdf の p.6)左上に、"浣腸のための管、尿道注入器" などの文字が見えて、これは『チャラカ・サンヒター』インドで2世紀頃に成立した

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