著者
新妻 絢
出版者
一般社団法人 日本メディア英語学会
雑誌
時事英語学研究 (ISSN:21861420)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.45, pp.29-42, 2006-09-01 (Released:2012-11-13)
参考文献数
23

本稿では、サイードの二項対立的言説に対する批判を分析することにより、ヒューマニズムにもとづく批評の重要性について論じた。二項対立的な言説は (1) 歪んだ理解を促す、 (2) 「他者」の排除につながる、 (3) 無意味な対立関係を作り出すという点で問題がある。二項対立的言説にとらわれない思考を人びとに促すためには、二項対立的思考に代わる理解の枠組みが必要である。ヒューマニズムにもとづく批評は、権力の側の排他的で好戦的な集団的アイデンティティの強化を目指す二項対立的な思考から、あらゆるものとのつながりを強調する新たな理解の枠組みへと転換を図るための一つの効果的な批評モデルである。

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J-STAGE Articles - 二項対立的言説に抗するエドワード・サイードのヒューマニズム的批判 > 二項対立的な言説は (1) 歪んだ理解を促す、 (2) 「他者」の排除につながる、 (3) 無意味な対立関係を作り出すという点で問題がある。 https://t.co/qJi0GUHSW9
> エドワード・サイードは、アラブ ・イスラム世界とアメリカ世界両方に属し、またどちらの側にも属さない特異な位置にいる思想家である。 イスラエル建国前の1935年にエルサレムで生まれ 、カイロとアメリカで教育を受けた 。 https://t.co/6gle2Oq9up
>ヒューマニズムにもとつく批評は、権力の側の排他的で好戦的な集団的アイデンティティの強化を目指す二項対立的な思考から、あらゆるものとのつながりを強調する新たな理 解の枠組みへと転換を図るための一つの効果的な批評モデルである。 https://t.co/6gle2Oq9up
二項対立的言説に抗するエドワード・サイードのヒューマニズム的批判 2001年アメリカ同時多発テロ以降のアメリカ批判を通じて 新妻 絢 > 本稿では、サイードの二項対立的言説に対する批判を分析することにより、ヒューマニズムにもとつく批評の重要性について論じた。 https://t.co/6gle2Oq9up
#読了 #研鑽ジャーナル 「二項対立的言説に抗するエドワード・サイードのヒューマニズム的批判」 https://t.co/IH3fCxsqiw エドワード・サイードの二項対立批判。二項対立は正/悪、など世の中を観察する手法として良く用いられがちである。しかし、それは時に暴力性を帯びる。サイードは、二項↓
@dogcatplay 確かに!サイードが提唱していたのは2項対立からの脱却で、かつ人文主義(ヒューマニズム)による自国中心主義(閉鎖的・排他的発想)からの脱却ということなんやけど、 https://t.co/hCVqJTV2b4 では2項対立を超えるというのはどういうことなのか?

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