著者
小泉 諒
出版者
The Japan Association of Economic Geography
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.90-111, 2020-03-30 (Released:2021-03-30)
参考文献数
38

本稿は,2020年オリンピック東京大会の会場計画において「ベイゾーン」と位置付けられている東京臨海部について,その開発の経緯を追い,時々に作用した時代の効果を整理しながら考察した.東京臨海部の埋立地は,江戸期以降,河川の浚渫や港の整備,ごみ処分などにより造成され,その後,東京都によるテレポート構想を元にした臨海副都心計画や,国策による都市再開発構想の舞台となった.1980年代に進められたそれらの構想は,バブル経済やその崩壊,都政の変化などから,その内容を変えた.1990年代後半以降には都市再生が国策と位置付けられ,都市改造がIOCの「レガシー」戦略とも合致するようになったことで,東京都のオリンピック招致は進められた.このように東京臨海部は,周辺と摩擦を起こしうるものも含めて様々な名目が動員され開発が進められる,東京の拡大に必要な場所であったと言える.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (8 users, 9 posts, 17 favorites)

小泉諒さんの論文に詳しい。 J-STAGE Articles - 東京都心周辺埋立地の開発計画とその変遷 https://t.co/qHgCkG8Rg2

収集済み URL リスト