著者
寺井 恵美 佐々木 愼
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.757-760, 2014-03-31 (Released:2014-09-29)
参考文献数
28

症例は65歳,男性。下腹部痛を主訴に当院を受診した。腹部CT検査で虫垂の腫大と壁肥厚を認めたほか,ぶどうの房状の形態を呈し憩室の多発が疑われた。周囲脂肪濃度は上昇しており,虫垂憩室炎の診断のもと緊急手術を施行した。虫垂は腫大し,多発した憩室の一部が穿孔していた。検体を用いた造影検査により穿孔を伴う複数の憩室を同定した。病理組織学的にも虫垂憩室炎と診断され,穿孔した憩室も含め全て仮性憩室であった。虫垂憩室炎は穿孔率が高く,有症状で虫垂憩室を伴う虫垂炎あるいは虫垂憩室炎は症状の程度にかかわらず保存的治療ではなく手術を検討すべきであると考えられているが,その一方で術前に虫垂憩室を診断するのは困難である。今回われわれは術前に診断しえた虫垂仮性憩室炎穿孔の1症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

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先週のCTで診断した虫垂憩室→穿孔性虫垂炎,虫垂切除標本のうち0.004〜2%というなかなかのレア症例だったらしい。テンション上がる! https://t.co/HONF3DCKS6

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