著者
奥 健太郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.67-82, 2010 (Released:2017-03-31)
被引用文献数
1

参議院全国区選挙は,利益団体が代表者を送り込むべく競争した場であったことは広く知られている。この全国区選挙ではいくつかの利益団体が脱落していくが,本稿で取り上げる日本遺族会は議席を確保し続けることができた。本稿では遺族会が勝ち残った理由,とりわけ戦没者遺族が年々減少する中で,なぜそれが可能だったのかを考察した。 遺族会が勝ち残ることができた最大の要因は,遺族会が公務扶助料受給者の期待を集め,それに応えたからである。特に1960年代以降,戦没者の妻が遺族会の集票のために熱心に活動した。妻には遺児を育てあげる責任があり,子育てが終わった後は物価上昇の中で高齢化し,生活に不安を抱えていたためである。第二は遺族会が,戦没者の兄弟や子も取り込んだことである。彼らに年金の受給権はなかったが,慰霊活動やそれにかかわる 「利益」が,遺族会と彼らを結び付けたのである。

言及状況

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全国区選 挙は,利益団体が国会に代表者を送り込むべく 組織を挙げて競争を展開した場であり,ここに 団体の組織力が反映されるからである。 https://t.co/SMyFYhlkrC
@ossan1973 @NastyboyK @haru2love1519 @Z2rsFunnel @INEVERG98554798 本気で政治力の発揮を望むなら、日本遺族会や連合(労組)を見習って組織内候補の議員を国会に送り込むとかの方法論もあるんじゃないですかね。 民法改正がゴールじゃないわけだし。 https://t.co/FKXBIAo8RM
参議院全国区選挙と利益団体 ―日本遺族会の事例分析― https://t.co/ZgHVbtdE6b

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