著者
佐々木 隆生
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.63-86, 2011-05-30 (Released:2019-05-13)
参考文献数
38

高大接続は,教育上の連続と選抜という2つの側面をもつ.日本の教育上の高大接続は,ナショナル・カリキュラムによって支えられながら,欧米諸国と異なり,教育上の連続を担保する達成度試験あるいはテストを欠き,進学者の学力把握は個別大学が行う学力選抜に依存してきた.80年代後半の大学収容力の低下などに端を置く「第3の教育改革」は,①高校の多様化,②高校教育課程の弾力化,③大学入学者選抜の多様化などをもたらしたが,それらは教育上の連続のための学力把握をより一層大学入試に依存する結果をもたらした.しかし,2000年代に入って間もなく始まる18歳人口の減少は,そうした日本型高大接続を機能不全に導き,「非学力選抜」や「少数科目入試」は,高大接続に必要な教育上の連続を困難なものとしている.そこで,日本型高大接続を転換し,高校における普通教育を再構築し,高大接続に必要な教育上の連続を担保し,同時に個別大学の学力入試に依存しない大学入学者選抜実現のための「高大接続テスト」―基礎的教科・科目の全体にわたり,高校での教育の目標に準拠し,十分な標準化によって複数回受験可能で,従来の素点表示とは異なる達成度評価法に基づくテスト―の構築・導入を,大学関係者と高校関係者で進めるべきであり,国はそれを支援する必要に迫られている.

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