著者
竹端 寛
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.33-43, 2011 (Released:2011-12-20)
参考文献数
43

本稿では,NPOのアドボカシー機能の「小さな制度」化とその課題について考察するために,ある精神医療分野のNPOの事例分析を行った.精神医療オンブズマン制度は,NPO団体の活動実績と提言に基づき大阪府で制度化された,アドボカシー機能の「小さな制度」化の実例である.これは一定の成果があったが,財政削減を理由に廃止された.この事例分析を行う中で,NPOの企画提案に基づく行政とNPOの「協働事業」としての制度化プロセス自体がNPOの一つのアカウンタビリティであったこと,アドボカシー機能の「小さな制度」化は府の政策と実践に具体的な事業改善をもたらしたこと,NPOには制度の成果や地方政府との「相補」性の意義等を事業委託主である地方政府にだけでなく政治家や広く市民にも果たすアカウンタビリティが求められていること,の三つが明らかになった.

言及状況

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以前書いた、NPO大阪精神医療人権センターのソーシャルアクションに関する論文が、ネットに上がってました。「NPO のアドボカシー機能の『小さな制度』化とその課題」。今度の権利擁護本にも入っていますが、PDFは無料で読めます。  https://t.co/5RCwtq1eho

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