著者
史 邁
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.55-65, 2020 (Released:2020-07-31)
参考文献数
55

本研究は,これまでのコ・プロダクション研究に残された課題を出発点とし,この概念が象徴する協働の意味と原理を理論の側面から考察している.結果として,第1に,利用者の生産的意義を積極的に捉え,それを協働の対象設定に包括したのは,コ・プロダクション概念構成上の最大の特徴であると言える.それは「協働」という行動を,利用者の自発的・非自発的関与を伴う個別のサービスからサービスシステム全体を対象とした,多様な次元に存在する一種の「属性」であることがわかった.第2に,社会サービスにおける協働の実践・実務に対して,コ・プロダクションは協働を「規範的価値」として主張するものではなく,また,生産的効率性の向上を一方的に追求するものでもない.この概念は,社会サービスの固有な普遍的・潜在的な属性として,従来の契約関係,ネットワーク,パートナーシップなどを統括したものであると考えられる.

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