- 著者
-
下山 真衣
- 出版者
- NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
- 雑誌
- 自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.2, pp.45-51, 2015-03-31 (Released:2019-04-25)
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
-
2
研究は、ゲームに参加する直前にゲームに負けたときに取る行動を研究参加児に選択させ、選択した行動もしくは適切な行動を研究参加児が実際に取り、最後までゲームに参加できた場合に社会的賞賛とごほうびが得られるプログラムの効果を検討することを目的とした。介入は、大学のプレイルームと家庭で行われた。研究参加児は、小学校1 年生男児で、自閉症スペクトラムの診断を受けていた。介入では、かるたの対戦直前に紙芝居を使ってゲームに負けた場合に取る行動を4 つの中から研究参加児に選択させた。「我慢する」を選択した場合は、さらにどのように我慢するのかを4 つの中から選択させ、実際に選択した行動を取ったとき、適切な行動を取ったときには社会的賞賛とごほうびが得られることを研究参加児に予告した。家庭においては、紙芝居を使わずに負けたときに取る行動を研究参加児に選択させ、我慢できたときの社会的賞賛とごほうびを予告した。大学プレイルームでも家庭でも実際に負けても怒らず我慢できた場合は、予告していた強化子を子どもに与えた。結果として、プログラム導入後のゲームに負けたときの適切行動の生起は大幅に増加した。家庭においてもかんしゃくを起こさずゲームに参加することができた。「我慢しなさい」と指導するよりも、負けたときに取る行動について具体的な行動を呈示し研究参加児に選択させたこと、最後まで参加できた場合の強化子を予告したことが有効であったと考えられる。