著者
寳田 穂 武井 麻子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.32-41, 2005 (Released:2017-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3

背景:各国で薬物乱用・依存に関する問題は深刻であるが、日本も例外ではない。しかし日本において、薬物依存症者への看護の意義や限界は明らかになっていない。目的:薬物依存症で精神科病院へ1回の入院を体験した人の語りを通して、入院体験の様相を描き出し、入院中の看護の意義・限界を明らかにする。方法:半構造化インタビューによる帰納的研究。5名の語りを再構成し分析した。結果及び考察:入院前、対象者は恐怖と孤立無援感の中で切羽詰まった状況にあった。入院によって、精神症状や身体状態は改善したが、処方薬や他の患者・スタッフとの関係で苦痛を体験していた。しかし、怒りや苦痛を最初から表現しなかったり、「仕方ない」と諦めた対象者が多く、孤立無援感は癒されていなかった。薬物依存症での初めての入院においては、「安全感」の回復と、「人間的つながり」の提供が必要であろう。

言及状況

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しかし、https://t.co/GOxxfe3lqE 等各種の薬物治療の論文にある様に切り離し、孤立させる事は決して問題の解決には繋がらない ましてや薬物等に正対して知識を得ようとしている時ですら孤立無援感を生みかねないかの標語の使用は個人的には以ての外だと思う

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