著者
田中 瑛津子
出版者
日本教授学習心理学会
雑誌
教授学習心理学研究 (ISSN:18800718)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.12-28, 2013-06-18 (Released:2018-01-31)
被引用文献数
3

中学2年生を対象にした授業場面において,興味の二つの側面であるポジティブ感情と価値の認知に着目し,興味の深化を促すための介入の効果を検討した。本研究では理科の授業を扱うことから,価値の中でも,「学習内容は日常生活と関連がある」という認識である日常関連価値の認知に焦点を当てた。実験1では,授業の導入時に意外な結果が生じる実験を提示してポジティブ感情を喚起し,「これから学ぶ内容を埋解すれば結果を説明できるようになる」と貝体的な達成日標を示して積極的授業参加を促進した。すると,日常関連価値の一般化強調の効果が引き出されることが示された。実験2では,日常関連価値への介入には,生徒の意味理解志向による調整効果があることが示された。すなわち,日条例の提示と日常関連価値の一般化の強調だけでは意味理解志向の低い生徒には不十分であることが示された。日常場面の問題を自分で解き説明する活動を加えることで,意味理解志向の高低に関わりなく,日常関連価値の認知が効果的に高まることが示唆された。

言及状況

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【論文】田中(2013) 教授学習心研/興味の深化プロセスを考慮し、日常関連価値を育む授業方略を検討した論文。授業の冒頭に Catch & Hold を行うことの重要性を指摘。意味理解志向が低い子は、日常例を示すことに加えて、問題解決や説明活動を伴うことで価値が内在化される。https://t.co/gokFPzkWGw https://t.co/MlzZfhdHFw

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