著者
林 成多
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.25-35, 2016-04-01 (Released:2017-05-12)
参考文献数
47
被引用文献数
1

日本列島の昆虫相の変遷を解明するため,鮮新世以降の昆虫化石の調査を各地で行った.その結果,鮮新世〜前期更新世には絶滅種と現生種の昆虫が共存していたことが判明した.絶滅種のほとんどは,前期更新世末〜中期更新世初頭には絶滅したと考えられる.特に化石記録の豊富なネクイハムシ亜科(コウチュウ目ハムシ科)について研究を行った結果,現生種の化石記録には,鮮新世〜前期更新世まで遡る「古い現生種」と中期更新世に出現する「新しい現生種」の存在が明らかになった.絶滅種の記録も含め,ネクイハムシ相の変遷を時代ごとに区分した.現在のネクイハムシ相がほぼ完成した時期は中期更新世以降である.また,現生種の化石記録を基に,分子系統樹の時間軸を設定し,分化年代を推定した.

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@westprairie1 興味深く拝読しました。 化石の関係では、私はこの方の論文を面白いと思って読んだんですが、全く縁のない領域の話で、面白いと思うだけで検証も何もできません。 既にお読みかもしれませんが、参考になりましたら。 https://t.co/uOQUmdGRpt https://t.co/WwYjFYEQWV

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