著者
杉山 真二
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.311-316, 2002-08-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
12
被引用文献数
12 12

約7,300年前の鬼界アカホヤ噴火が南九州の植生に与えた影響について,植物珪酸体分析の結果から検討を行った.その結果,幸屋火砕流(K-Ky)が及んだ大隅半島南部や薩摩半島南部では,それまで分布していた照葉樹林やタケ亜科Bambusoideaeなどが絶えて,ススキ属Miscanthusなどが繁茂する草原植生に移行したと推定される.約6,400年前の池田湖テフラ(Ik)との関係などから,これらの地域の大部分では約600~900年間は照葉樹林が回復しなかったと考えられるが,K-Kyの到達限界付近など一部の地域ではIk直下で照葉樹や落葉広葉樹が出現しており,森林植生が回復過程にあったと推定される.K-Kyが及ばなかった鹿児島県中部以北では,照葉樹林が絶えるほどの影響を受けなかったと考えられ,鬼界アカホヤ噴火以降に照葉樹林が拡大したところも見られたと推定される.

言及状況

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出典:J-STAGE Articles - 鬼界アカホヤ噴火が南九州の植生に与えた影響 https://t.co/Szpnwpu02e
@hectopascal1013 そんな気分で言ったわけではないですよ。決して自然災害を過小評価したいわけではなく。九州南部、特に火砕流の到達した両半島の南部は600〜900年植生が回復しなかったとの研究もあり、逆にその影響を受けなかった場所では植生が大きく変わるような影響はなかった。 https://t.co/e5FLxWrIH9
植生については、例えばこちら https://t.co/kL4xWFo5uN
@Jpeople111 @on_eestlane 鬼界カルデラは11000年ほど前と5500年ほど前に大噴火し、関東まで火山灰の地層がある。イネ
J-STAGE Articles - 鬼界アカホヤ噴火が南九州の植生に与えた影響 https://t.co/SzpnwpuxRM
J-STAGE Articles - 鬼界アカホヤ噴火が南九州の植生に与えた影響 https://t.co/YeXkpbwd9K
火砕流が及んだ地域では当時、照葉樹が絶えたなどの影響があったようです。 杉山真ニ2002 鬼界アカホヤ噴火が南九州の植生に与えた影響 https://t.co/itHn2qQDdP

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