著者
河井 恒 広瀬 啓吉 藤崎 博也
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.433-442, 1994-06-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
19

規則による日本語の音声合成において、高品質の韻律的特徴を生成しうる規則を作成した。この規則は、アクセント型、統語構造、文の焦点などの言語情報から韻律的特徴を表現する記号を生成する。韻律記号は、3種類の休止記号、4種類のフレーズ記号、及び6種類のアクセント記号からなり、音声の基本周波数パターンを生成するために用いられる。統語構造は、文境界、節境界、ICRLB境界などの統語境界によって表され、主として休止記号とフレーズ記号の生成に用いられる。一方、文の焦点は、韻律語の強調/抑圧として表され、アクセント記号の生成に用いられる。規則によって生成された韻律的特徴の正当性を評価するため、規則作成に用いたものとは別の文章を対象として、規則によって生成された韻律上の単位と職業アナウサが発声した自然音声の韻律上の単位との対応関係を調べた。その結果、両者は70〜90%の高い割合で一致しており、合成音声の自然性とあいまって本規則の有効性が示された。

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J-STAGE Articles - 日本語文章音声の合成のための韻律規則 https://t.co/IDVu7VXz37
@shigekzishihara もともとの藤崎モデルについては生物学的な観測に基づく仮説と、それでいろいろしゃべらせてみたらだいたい実際の「ニュース読みの」ピッチとあっていた、ということなのだと思っています。藤崎モデルの基本論文をもともと紹介してもらってて。 https://t.co/kXC7ufAfrx
@yo_xxx 古い方法だと、単語アクセントに基づいて規則によりF0を生成します。このへんの論文を参照してみてください https://t.co/WRGuLRAOPP

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