著者
足代 訓史
出版者
日本ベンチャー学会
雑誌
日本ベンチャー学会誌 (ISSN:18834949)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.47-61, 2022-03-15 (Released:2023-04-26)

近年、ネットワーク効果を享受できるはずの既存プラットフォーム(platform: PF)が、市場でのドミナントな地位を失うケースが散見される。本稿では、リーダーシップ段階にあるPFにおけるユーザーのエンゲージメント行動に着目することで、既存PFが市場地位を低下させる論理と、その際のマネジメント上の要諦を検討する。具体的には、情報市場のPFであるミクシィの事例研究を通じて、以下の結論を主張する。既存PFは、ネットワーク効果を背景として機能改善や機能追加を行い、ユーザー数や補完者数を増加させる。その際、市場でドミナントな地位を占めているPFであるがゆえに、競合への同質化行動を取る。しかし、その施策は、当該PFのユーザーのエンゲージメント行動の独自性を変化させ、ひいては、元来有していたPF の独自性をも変容させる。これが一つの要因となって、ドミナントな地位にあったPFの市場地位は低下に向かう。

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