著者
平井 啓 佐々木 周作 大竹 文雄
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.10, no.Special_issue, pp.S20-S25, 2017 (Released:2018-04-12)
参考文献数
11

本研究では,乳がん検診の受診行動と乳がん罹患や乳がん治療に関するヘルス・リテラシーとの関連性について検討を行った.40歳台・50歳台の女性を対象として,横断的デザインによるオンライン・アンケート調査を実施し,1,628名を対象とした解析を行った結果,乳がん検診の受診経験および計画意図と,乳がんの罹患リスク認知の高さ,乳がん検診と乳がん治療の効果に関する利得の認識の高さ,乳がん治療に対する知識の豊富さ,すなわちヘルス・リテラシーの高さが関連することが明らかになった.この結果は,乳がん検診の受診により,実際よりもかなり大きめの罹患リスクの認識を形成し,それが検診受診の目標意図を形成すると解釈することが可能である.一方,乳がん罹患のリスク認知を大きく高めることが受診意図の形成に貢献する可能性も考えられる.これらの因果関係の識別には,ランダム化比較試験等を採用した介入研究による検証が今後必要である.

言及状況

外部データベース (DOI)

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【乳がん検診受診行動と乳がん関連ヘルス・リテラシーの関係性に関する研究 行動経済学 第10巻 大会特別号(2017)20‒25】 https://t.co/XaW7F8YnUD 【リスク選好が乳がん検診の受診行動に及ぼす影響: プログレス・レポート_行動経済学 第9巻(2016)132‒135】 https://t.co/c42YhDMWtR

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