著者
大野 誠 成田 善孝
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.82-90, 2018 (Released:2018-02-25)
参考文献数
31

グレード2・3神経膠腫はWHO2016分類ではIDH遺伝子変異と1p/19q共欠失の有無に基づいて分類されるようになった. グレード2・3神経膠腫は緩徐であるが直線的に増大し, 悪性転化をきたす. 早期手術および手術摘出率を上げることは生存期間延長に寄与する可能性があるが, 手術のみでの腫瘍制御には限界があることも留意する必要がある. グレード2・3神経膠腫に対する放射線治療は重要な役割をもつが, 治療から長期経過後の高次脳機能障害が問題である. 近年化学療法による生存期間延長効果が示され, 現在欧米および本邦において適切な化学療法を検討する臨床試験が進行中である. 今後は, 分子遺伝学的な解析が進み治療効果を予測するバイオマーカーの同定や新規治療の開発が行われ, 治療成績が改善することが期待される.

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