著者
田中 孝治 三輪 穂乃美 池田 満 堀 雅洋
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.11-25, 2019-08-31 (Released:2019-09-14)
参考文献数
51

本研究では,一般的な知識として適切な行動を問う知識課題と自身が実際に選択する行動を問う意図課題を用いて,大学生を対象に知識と行動意図の不一致について検討を加えた.実験1・2では,実験参加者が適切な知識を有しているにもかかわらず情報モラルに反する行動意図が形成されることが示された.実験1では,大学生のほうが高校生に比べて知識保有の割合は高く,適切な行動意図形成の割合が高かった.実験2では,計画的行動理論の要因(行動に対する態度,主観的規範,行動コントロール感)から検討を加えた.意図課題で遵守行動を選択した場合は,要因にかかわらず,肯定的に評価する行動を選択していることが示された.一方,不遵守行動を選択した場合は,要因ごとに異なる結果が得られた.態度については,遵守行動を肯定的に,不遵守行動を否定的に評価しており,行動コントロール感については,不遵守行動は容易であり,遵守行動は困難であると評価していることが示された.主観的規範については,遵守行動と不遵守行動を同等に評価していることが示された.

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大学生の情報モラル行動における知識と行動意図の不一致: 計画的行動理論における規定因に基づく検討 - https://t.co/mLo85RplWc #ScholarAlerts

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