著者
野村 亮太 丸野 俊一
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.9-21, 2012 (Released:2013-12-27)
参考文献数
51
被引用文献数
1

世界観は,いわば見たり,気づいたり,体験したりすることの一形式として,個々の体系の背後にある(中略)それゆえ,すべての世界観は,ある態度の表現であり,器官であり,現実に対する意識のある側面の表現である.われわれが純粋に自然を探究するという態度を取り,したがって,われわれが感覚的に経験し,悟性的に結びつける場合には,実証主義がある.客観的観念論の意味では,われわれは観想的な態度をとる.われわれが行為的な態度をとる場合,自由の観念論がそれにふさわしい体系である.ここから以下のことが明らかになる.すなわち,現実は多面的なものであって,それはさまざまな世界観によっては一面的にしか表現されないと私は主張する.複数の世界観の中で表現されているのは,生そのものの多面性である.さらに,ここから明らかになることは,現実の客観的関連を認識すると主張する形而上学的体系は,厳密な学的妥当性を要求することはできないということである.

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