著者
森 英樹 上條 隆志 正木 隆
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.244, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

木本性ツル植物は樹木に取り付くことで、その生育を阻害し、結果的に森林の構造や動態に影響を及ぼすと考えられている。しかし、このような知見の多くは熱帯や亜熱帯地域に集中していて、温帯林ではごくわずかである。そこで本研究では、冷温帯林における木本性ツル植物の空間分布を明らかにし、ホスト樹木、地形および自然攪乱の影響の大きさを検証した。調査地は北茨城市に位置する小川試験地(6ha)である。樹木(DBH1cm以上・全18664本)に取り付くツル植物の種、DBH、位置を記録した。ツル植物は計1408本、計10種記録された。このうち個体数が最も多かった5種(フジ、ツルマサキ、イワガラミ、ツルアジサイ、ツタウルシ)を解析対象とした。本研究の結果からは、温帯林におけるツル植物はホスト樹木の選択性が強く、熱帯林とは対照的に、自然攪乱がツル植物の分布に及ぼす役割は小さいことが示唆された。また、種によって地形の選好性が異なり、種ごとの分布に反映されていると考えられた。

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木に絡みついて生育を阻害すると言われる木化したツル植物は、長い目で見ると老化した木を引き倒し土に戻るのを手伝っているようにも見える。 冷温帯老齢林における木本性ツル植物の分布に与えるホスト樹木、地形および攪乱の役割 #日本森林学会 https://t.co/wWJRZyQemv

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