著者
須見 洋行 浅野 倫和
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.937-942, 2001-10-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15

ナットウキナーゼ活性を指標として納豆菌 (Bacillus natto NB-1株) による大麦の固体発酵が可能であることを明らかにした.その活性は37℃の発酵で1日目にピークを示す一過性のものであり, その後漸減したが, 1.0M尿素の共存下ではピーク後の濃度の減少は抑えられ, 酵素の生産量は持続的に高められることが分かった.この納豆菌による麦発酵物中にはナットウキナーゼが持つ強力なフィブリン分解能 (10万IU以上/100g乾燥物) と共に, Suc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNA, H-D-Val-Leu-Lys-pNA, Suc-Ala-Ala-Ala-pNAなどの合成アミド基質に対する分解能, そして大量のビタミンK2 (メナキノン-7) (約9,500μg/100g乾燥物) の存在が確認された.また, 未処理物に比べて発酵大麦は遊離アミノ酸含量が高く, 特にPhe, Val, Tyr, およびGlu濃度は10倍以上優れていることが分かった.

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