著者
吉開 泰信
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.539-546, 2011 (Released:2011-09-10)
参考文献数
17

T細胞は胸腺で分化して, T細胞レセプター (TCR) で自己の主要組織適合性抗原 (MHC) に提示された抗原を認識してサイトカイン産生や細胞障害活性を通じて, 免疫応答の中心的役割を担う. MHCクラスIIに結合したペプチドを認識する典型的なヘルパーCD4Th細胞はそのサイトカイン産生の特徴によってIFN-γ (γインターフェロン) を産生するTh1細胞, IL-4 (インターロイキン4) を産生するTh2細胞, IL-17を産生するTh17細胞, TGFβ/IL-10を産生する調節性Treg細胞に分類される. さらに最近はIL-9を産生するTh9細胞やIL-22を産生するTh22細胞, リンパ節のB細胞濾胞に局在するIL-21産生Tfh (follicular helper) 細胞などのサブセットの存在も提唱されている. MHCクラスIaに結合したペプチドを認識する典型的なヘルパーCD8T細胞は, 短い寿命のエフェクターT細胞, 末梢へホーミングするエフェクターメモリーT細胞, リンパ節にとどまりIL-2を産生して増殖するセントラルメモリーT細胞に分類され, パーフォリン, グランザイムを産生して細胞障害活性を示す. これらの典型的なCD4/CD8T細胞と異なる自然免疫T細胞 (innate T cells) は, 多型性に乏しいMHCクラスIb様分子に提示される核酸代謝物や糖脂質などペプチド以外の微生物抗原や自己抗原をクロスして認識する. NK関連レセプターやメモリー型の表面形質をもつことが特徴であり, クローン増殖なしにTCR刺激で早期に活性化されエフェクター分子を発現する点で自然免疫に近いT細胞と考えられ, NKT細胞, γδ型T細胞, MAIT細胞, MHCクラスIb拘束性CD8T細胞などがある.

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