著者
吉田 明
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.119, no.5, pp.689-695, 2016-05-20 (Released:2016-06-10)
参考文献数
10

甲状腺腫瘍は内分泌腺に発生する腫瘍として最も多く, その診断・治療に専門的な知識と技術を必要とする. しかし, 十分なエビデンスが少ないことより, ともすれば適切な診断・治療が行われない可能性がある. こうした状況を改善し甲状腺腫瘍診療の標準化を図ることがどうしても必要であり「甲状腺腫瘍診療ガイドライン」が2010年に生まれた. 本ガイドラインの構成と内容の概略を述べた後に, 癌の中で最も頻度の高い乳頭癌について治療法の変遷や欧米との違いなどについて記載した. 甲状腺分化癌の治療は手術と放射性ヨウ素が主なものであるが, 日本では放射性ヨウ素の利用が制限されていたため初期治療は手術が主流であった. しかし最近少量 (30mCi) の131I アブレーションが外来で行えるようになり状況は変化しつつある. また本ガイドラインの英語版も出版され世界に「日本型」の甲状腺腫瘍の取り扱いもアピールできたと考える. 本ガイドライン公開後6年近くが経過している. ごく最近, 分子標的薬剤が甲状腺癌にも保険適応が認められた. またこのほかにも重要なエビデンスとなる報告がいくつかなされている. これらのことを盛り込んだ改訂版が近い将来でき上がる予定となっている.

言及状況

外部データベース (DOI)

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これらのうち一つでも認められた場合を高リスクとすること を満場一致で確認した https://t.co/sbTjCPSh4j
健常人で偶発的に甲状腺結節が発見された場合,悪性腫瘍である確率は5.8~15.9%である. https://t.co/sbTjCPSh4j
こうした状況を改善し甲状腺腫瘍診療の標準化を図ることがどうしても必要である.7回に及ぶ作成委員会が開催され熱心な議論の末,2010年秋に本邦ではじめて甲状腺腫瘍のガイドラインが完成した.… https://t.co/cOcDsfPRhK

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