著者
Tetsuya Murakawa Michiya Kosaka Yoshito Mori Motoharu Fukazawa Keizoh Misaki
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
Nippon Jibiinkoka Gakkai Kaiho (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.103, no.5, pp.506-515, 2000-05-20 (Released:2008-03-19)
参考文献数
14
被引用文献数
9 or 0

高圧酸素療法(Oxygenation at high pressure,以下,OHPと略す)を併用した突発性難聴症例について,その治療成績をretrospectiveに検討した.対象は1989年1月から1998年12月までの10年間に,香川労災病院耳鼻咽喉科にてOHPを併用した522症例である.予後は厚生省突発性難聴調査研究班による聴力改善の判定基準に従い,x2検定により統計学的有意差を検定し,p<0.05を有意差とした.未治療例と既治療例の比較,高圧酸素療法を含む治療全体を開始するまでの日数,年齢,初診時平均聴力,聴力型,めまい•耳鳴の有無,OHPの副作用,再発症例,発症時期などについて検討した.全体の治療成績は,治癒率19.7%,有効率34.9%.改善率58.1%であった.既治療例に対する予後は,治癒率12.5%,有効率18.8%,改善率38.8%と約4割の症例に効果があった.未治療例だけでなく,既治療例に対しても早期にOHPを開始した方が効果があると考えた.予後は加齢と共に不良になる傾向を認めた.初診時平均聴力との間には相関を認めなかった.聴力型では低音障害型,谷型が良好で,山型,高音漸傾型,聾,聾型は不良であった.初診時平均聴力が31dB以上の症例では,めまいを伴う症例の予後が有意に悪かった.耳鳴の有無と予後には有意差を認めなかった.OHPの副作用として35例(6.7%)に滲出性中耳炎を認めた.17例(3.2%)に再発症例を認め,再発時の予後は初回発症時と比較して有意に悪かった.発症時期には有意な順位を認めなかった.他の治療法に抵抗を示す症例でも,できるだけ早期にOHPを施行することにより,良好な聴力改善を得る可能性が残されていると考えた.

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