著者
冨山 道夫
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.96, no.7, pp.1133-1140,1225, 1993-07-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
24

鼓膜切開を要した小児急性中耳炎症例81名にcefaclor (CCL) とfosfomycin (FOM) 点耳液を併用し有用性を検討した. その後1年間の経過観察を行い, 検査所見と治療経過, 予後との関連を調査し以下に示す結果を得た. 1) CCLとFOM点耳液の有効率は99%であった. 2) レントゲン検査で乳突蜂巣陰影 (蜂巣陰影), 副鼻腔陰影のある群は有意に経過が遷延した. 3) 蜂巣陰影のある群は難治な滲出性中耳炎に移行しやすく, 蜂巣陰影のある群と急性中耳炎の既往がある群では有意に急性中耳炎の再発を認めた. 4) 両側蜂巣に陰影がある群と陰影が片側例のうち対側耳に比べ患側耳の蜂巣発育が抑制されている群は, 再発や難治な滲出性中耳炎への移行を示しやすい傾向がみられた.

言及状況

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