著者
鶴田 良介 有賀 徹 井上 健一郎 奥寺 敬 北原 孝雄 島崎 修次 三宅 康史 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.786-791, 2010-09-15 (Released:2010-11-09)
参考文献数
9

目的:熱中症患者のバイタルサインや重症度に関する疫学データは少ない。人工呼吸管理を要した熱中症患者の予後に関わる因子を解析する。方法:2008年6月1日から9月30日の間に全国82ヶ所の救命救急センターおよび日本救急医学会指導医指定施設を受診した熱中症患者913名のデータのうち,人工呼吸管理下におかれた患者77名を抽出し,更に来院時心肺停止1名,最終診断脳梗塞1名,予後不明の2名を除く73名を対象とした。対象を死亡あるいは後遺症を残した予後不良群と後遺症なく生存した予後良好群に分けて解析した。結果:予後良好群47名,予後不良群26名(死亡12名を含む)であった。2群間に年齢,性別,活動強度,現場の意識レベル・脈拍数・呼吸数・体温に有意差を認めなかった。現場の収縮期血圧とSpO2,発症から病院着までの時間に有意差を認めた。更に来院後の動脈血BE(-9.5±5.9 vs. -3.9±5.9 mmol/l,p<0.001),血清Cr値(2.8±3.2 vs. 1.8±1.4 mg/dl,p=0.02),血清ALT値[72(32-197)vs. 30(21-43)IU/l, p<0.001],急性期DICスコア(6±2 vs. 3±3,p=0.001)に予後不良群と予後良好群の間で有意差を認めた。しかし,来院から冷却開始まで,来院から38℃までの時間の何れにも有意差を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果,予後不良に関わる因子は現場の収縮期血圧,現場のSpO2,来院時の動脈血BEであった。結語:人工呼吸管理を要した熱中症患者の予後は来院後の治療の影響を受けず,現場ならびに来院時の生理学的因子により決定される。

言及状況

外部データベース (DOI)

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@red_noracat こんな論文まで読んじゃったけど後遺症に呼吸困難は見つからず…https://t.co/TFfwZtXMtx
熱中症の初期対応や、予防の視点が大切です。 ・J-STAGE - 論文名:熱中症による中枢神経系後遺症 https://t.co/pLHPf900jX →後遺症のリスク ・J-STAGE - 論文名:人工呼吸管理を要した熱中症患者の予後予測因子 https://t.co/ZhoXqy6dfA →予防・初期対応の重要性 #甲子園 #高校野球 https://t.co/eyNYgO5uRF
人工呼吸管理が必要な程、重度の熱中症の方の予後… 結論から推測すると、やはり、症状が出始めた時の初期対応が、重要になるのでしょう。 明日、明後日も東海地方を中心に猛暑のようです ☀️ J-STAGE - 人工呼吸管理を要した熱中症患者の予後予測因子 https://t.co/ZhoXqy6dfA

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