著者
雪村 まゆみ
出版者
日本アニメーション学会
雑誌
アニメーション研究 (ISSN:1347300X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.89-100, 2023-01-31 (Released:2023-02-11)
参考文献数
24

アニメ聖地巡礼の世界的な人気を背景に、その経済効果を期待している地域社会も多い。本研究の目的は、アニメ聖地巡礼がアニメーションをめぐるアート・ワールドをいかにして地域社会のなかで拡張していくのか、検証することである。まず、ロケハンや遠近法の開発を事例に、キャラクターだけでなく背景美術への着目度が高まったことを明らかにした。つぎに、能動的オーディエンスは、聖地巡礼の興隆以前からアニメーションの視聴にとどまらない消費を雑誌上で行ってきたことを指摘した。背景美術が着目されることで、聖地巡礼が盛んにおこなわれるようになったが、それは日常のありふれた場所であることも多い。現実空間と作品を結びつけることで、そこに新たな文化的価値が創出される。アニメーションをめぐるアート・ワールドが地域社会と重なり合いながら醸成していくことで、開発によって失われていた地域社会における中心が取り戻されようとしている。

言及状況

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次回は久々に論文読み回をしようと思いますが、公開されている聖地巡礼関係の論文である、こちらをやりましょう! 「論文:アニメ聖地巡礼による空間価値の創出:アート・ワールドにおける背景美術の躍進能動的オーディエンスという視点から」 https://t.co/CRJmHlizT1
雪村まゆみ「アニメ聖地巡礼による空間価値の創出:アート・ワールドにおける背景美術の躍進と能動的オーディエンスという視点から」 https://t.co/WceuWB3I3s  コマ送り論文を参照いただいています

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