著者
望月 要 佐藤 方哉
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.42-54, 2003-04-20 (Released:2017-06-28)

本稿は行動分析学の立場から"パーソナリティ"の概念的分析と実証的研究の展望を試みたものである。従来、人間の個体差を示すパーソナリティ"という概念は、個体の内部にあって、その人間の行動を決定する仮説構成体と考えられてきた。この定義は現在でも広く用いられているが、言うまでもなく、行動の内的原因を排除する行動分析学からは容認できない。しかし、"パーソナリティ"について行動分析学の立場から新たな定義を与えることは不可能ではない。本橋ではパーソナリティ"に対して「特定個人の行動レパートリーの総体」という定義を、まだパーソナリティ特性"に対して「個人において安定している共通の制御変数によって制御されるレスポンデントおよびオペラントのクラス」という行動分析学的な定義を提案し、これに基づいてパーソナリティ特性"の概念的分析を行なうとともに、行動分析学的立場から行なわれた幾つかの実証的研究について展望を試みた。行動分析学は行動を制御する主要な制御変数の探求を完了しつつあり、今後は、制御変数間の相互作用の分析に力を注ぐべき段階にさしかかっている。制御変数の相互作用を解明するとき、同一環境下で発生する行動の個体差は研究の重要な糸口となり、その意味においても行動分析学における個体差研究の意義は大きい。

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J-STAGE Articles - 行動分析学における"パーソナリティ"研究(<特集>人間行動の実験的分析) https://t.co/KZTKHDP1ka 「伝統的な “パーソナリティ”心理学者(中略)の研究の成果」を土台にするのは皮肉っぽいけど正道か。本論文に限らずスケジュールってどうやって考えるのだろう?
仮説構成概念を行動分析学の観点から翻訳することには色んな意見があるかもしれないけど、個人的には結構興味があるし、重要な作業だと思う。 ↓はそう思ったきっかけの論文。 J-STAGE Articles - 行動分析学におけるパーソナリティ研究(特集: 人間行動の実験的分析) https://t.co/CpTIqHbQo8
望月要, & 佐藤方哉. (2003). 行動分析学における"パーソナリティ"研究. 行動分析学研究, 17(1), 42–54. https://t.co/1nPhFVYooR 行動分析学の立場から”パーソナリティ"の概念的分析と実証的研究の展望を試みたもの
望月要・佐藤方哉(2003)行動分析学における“パーソナリティ”研究. 行動分析学研究 第17巻 1号. https://t.co/tq5J8BV5IV

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