著者
西川 洋史
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.23-28, 2020 (Released:2021-04-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2

研究用高純度グリセロールは透明骨格標本作製時において透明化や保存のために必要である.しかし,学校教育現場では高いコストとなる.本研究ではグリセロールの代わりに家庭用食器洗剤を用いて透明骨格標本の作製を試みた.ミナミメダカ(Oryzais latipes)を10%ホルマリンに入れて室温下一晩の固定を行った後,各濃度の水酸化カリウムを溶解した5種類の食器洗剤に移し,35°Cで2週間インキュベートした.その結果,水酸化カリウムの濃度に応じて透明化が促進され,数種類の洗剤では脊椎骨を明確に観察することができた.次に,ホルマリン固定後にアリザリンレッドSで一晩染色した標本を同様に洗剤に漬けたところ,界面活性剤濃度が高い洗剤において硬骨染色を保った状態での透明化を確認した.食器用洗剤はグリセロールに比べると安価であり,ゆえに学校教育現場での透明骨格標本の活用が促されると思われる.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (4 users, 4 posts, 2 favorites)

先行事例のように扱われているが、透明化をKOH(水酸化カリウム)で行い、 保存のグリセロールの代替として"台所用"洗剤を用いるなど多くが異なる。 食器用洗剤を用いた小型魚類透明骨格標本の作製 西川洋史 - 生物教育, 2020 - https://t.co/vk61VxJ0Kd ※オープンアクセス https://t.co/zzVdzcJCNB https://t.co/5sa7Z6yKWp

収集済み URL リスト