- 著者
-
栖原 学
- 出版者
- 比較経済体制学会
- 雑誌
- 比較経済研究 (ISSN:18805647)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.1, pp.1_17-1_28, 2014 (Released:2014-03-29)
- 参考文献数
- 26
19世紀後半から経済成長を加速させたロシアは,二度にわたる急速な工業化の期間を経て,1960年には西欧先進国の発展レベルに接近した.長期にわたるロシア・ソ連経済のキャッチアップの過程は,サイモン・クズネッツのいう「近代経済成長」の一例といえよう.しかし,1960年頃から経済成長と技術革新の主要推進力としての「上からの圧力」を失ったソ連は,目標とした先進国の水準に到達することなく解体に至り,その「近代経済成長」は挫折に終わることとなった.