著者
福井 直樹
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
コミュニケーション障害学 (ISSN:13478451)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.85-92, 2005-08-31 (Released:2009-11-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1

現代言語学の基本目標を説明するとともに,20世紀における言語理論の進展を概説した.Saussureが「社会的所産」とみなした言語構造を人間の脳内に実在する機能(再帰的生成システム)ととらえ,それに関する明示的説明理論の構築を目指したのが生成文法理論であるが,「より深い説明」を目指す継続的試みが現在に至る理論的変遷の根本的原動力になっていることを論じた.その上で,言語学と言語障害学が将来さらに有機的に連携するためには,言語脳科学ともいうべき分野の確立が必須であるとともに,今までの生成文法理論には欠如していた「言語の社会性」を厳密に研究するためのモデル構築が望まれるということも指摘した.

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@OR6107_main まだ「知識」の脳科学が発展途上な(もしくは言語学者に利用可能でない)のでしょうね… ちなみに,失語症については(一般向けなこともあり査読は受けていないようですが)生成文法理論からはこんな議論もあります 〈言語学と言語障害学との接点〉現代言語学と言語障害学 https://t.co/56jCcNEpxy

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