著者
笹竹 英穂
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.33-44, 2014-01-31 (Released:2017-07-30)
参考文献数
22

女子大生の防犯意識は,性に関する危険な出来事の被害体験によってどのような影響を受けるのかについて,楽観主義バイアスの視点から明らかにすることを目的とした。性に関する危険な出来事の被害は,変質者に出会うということに限定した。楽観主義バイアスは,被害にあう確率を他者と比較するという楽観主義バイアス(頻度)と,被害にあった場合の結果の重大性を他者と比較するという楽観主義バイアス(程度)の2つを設定した。そしてそれぞれの楽観主義バイアスを直接法および間接法によって測定した。中部地方の女子大学生329人に対し,平成21年1月に調査を行った。その結果,被害体験がある場合には楽観主義バイアス(頻度)が低くなるが,防犯意識の形成にまでは至らないことが示された。また防犯意識を従属変数にし,被害体験と楽観主義バイアス(程度)を独立変数にした分析では,直接法では被害の有無にかかわらず,楽観主義バイアス(程度)が高いと防犯意識が低いことが示された。同様の分析において間接法では交互作用が認められ,特に被害体験がある場合には,楽観主義バイアス(程度)が高いと防犯意識が低いことが示された。

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@kuina_ch 旧厚生省による造語とされている、って記述は見つかりましたがはっきりしませんね… https://t.co/3TfjYDPoER

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