著者
石澤 幸江 小熊 隆夫 今井 信行 斎藤 トシ子
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.501-506, 2022 (Released:2022-09-01)
参考文献数
28

丸呑み・早食い・詰込み食い等摂食嚥下に課題を有する統合失調症女性患者1人を対象に、管理栄養士が定期的な咀嚼練習に介入し、栄養状態、喫食に要した時間、咀嚼回数、食事満足度の変化を検証した。3カ月間、週3回、1回15分間の舌運動と食品を用いた咀嚼練習を昼食前に行い、開始時、4週目、8週目、12週目に各項目を測定した。栄養状態は、Alb値が開始時3.6g/dLから12週目には4.0g/dLへ、GNRIは90から96へと上昇した。喫食時間および咀嚼回数は開始時に比べ4週目には急激に増加し、それ以降の増加はほぼ横ばいであった。食事満足度は、聞き取り調査に変化は見られなかったが、食事中の表情(フェイス・スケール)は、開始時1点(無表情、口角が曲がる)から12週目は5点(笑顔、口角が上がる、口を開く)となった。統合失調症患者への咀嚼練習は、噛むことへの意識付け強化となり、喫食時間および咀嚼回数が増加したことで、栄養状態の改善につながった可能性がある。

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